腹の立つ話 [その他]

震災以降、政府の対応の遅さ、まずさに腹を立てている方は多いと思うけれど、
またも腹の立つニュース。
「福島から出荷された牛肉から放射性セシウムが検出された」と・・・。

このニュースを聞いてびっくりしたのは、「出荷前に、モニタリングしてなかったんですか?」ってこと。

新聞記事など読んでいると、政府はこれまで家畜の飼料の取り扱いには注意するよう呼びかけ、
3月19日には屋外で保管していた飼料を与えないよう通達していたということだが、
それだけで本当に大丈夫だと思っていたのなら、アホだとしか思えないし、
それだけで自分たちの責任を全うしていると思っていたのなら、あまりにも現場を知らない、
無責任な人たちの集まりだとしか思えない。

挙げ句、今回 汚染された牛肉が出回ってしまったのは、
「畜産農家の飼料の管理が不十分だったから」と農家側のせいにされてしまったのなら、
農家を守るべき農林水産省は、何のためにあるのだと言いたい。

私が初めて飯舘村を訪れたのは4月下旬、計画的避難区域に指定されたばかりの頃。
このときにはまだ、村には牛がいた。
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ようやく飯舘牛というブランドが確立し、
大切に大切に育ててきた牛たちを手放さなくてはならなくなった農家の方たちの苦悩の表情を見た。
それでも、警戒区域で無残に餓死してしまった牛たちの姿を思えば、
安全が確認された上で出荷され、食べてもらえるのならば、この子たちもまだ、報われるのかなと思った。

それなのに、その安全確認がろくにされていなかったとは・・・。

福島県では緊急時避難準備区域で飼育された牛を出荷する際に、
体表面を調べるスクリーニング検査を全頭で実施していたそうだ。
しかし、私たちは 牛の毛や皮を食べるわけではない。
内部被ばくしているかどうか検査しなければ意味がないことは、素人でもわからないか?

いくら飼料を管理したところで、
また、いくら放牧はせず、屋内で管理するように指導したからといって、
牛舎は完全に密閉されてるわけではない。
人間と違って動物は、地面にたまった水を飲んだり、体をなめたり、
どこでどう放射性物質を体内に取り込んでしまうかわからない。

だからこそ、当然、全頭検査をし、
放射性物質が検出されない食肉のみが流通しているものだと思っていたのだが、この始末。

福島県の職員にも落ち度はあるのだろうけれど、状況から言って、私は県の方たちは責められないと思う。
おそらく、人間のスクリーニングやら、他の農作物の検査やらで手一杯だったろうから。
責めるべきは、やはり国、農水省や厚労省なのだと思う。
BSEのときに全頭検査をしたのなら、今回だって、できないことはないのではないか。
なんでこんな当たり前のことをやってなかったのか、頭に来て仕方が無い。

これでは、そもそも人間を養うための命だったとはいえ、
原発という、さらなる人間のエゴに翻弄されてしまった命が 
うかばれない。
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